TanabataNikki's diary

主に技術的なことを書きます。当面は高校の化学を復習するところからはじめます。

世の中の少し不思議を探してみる

甘味化合物のわっか

近代有機化学において発見された人工甘味化合物はサッカリンです。

f:id:TanabataNikki:20140405215651p:plainサッカリン

アイラ・レムセン博士が、コールタールの実験中に偶然発見しました。実験後、手をろくに洗わないで食事をして気が付いたそうです。(とても危険!!)

ここには、しっかり、ベンゼン環があります。なので芳香化合物です。甘味は、ショ糖の350倍ともいわれます。

 

そのショ糖とは、いわゆる砂糖のことです。甘味成分の代表です。今までにもでてきた、グルコースブドウ糖)とフルクトース(果糖)の結合した糖です。

f:id:TanabataNikki:20140405221139p:plainf:id:TanabataNikki:20140405220630p:plain

が結合すると

f:id:TanabataNikki:20140405221320p:plainスクロース(砂糖)

になるわけです。

 この水酸基(ヒドロキシ基)を3つ塩素(Cl)に工業的に置き換えたものが、

f:id:TanabataNikki:20140405221923p:plainスクラロース

です。甘味は砂糖の600倍といわれ、現在のノンカロリー甘味ドリンクの大半にはこれが入っています。今や甘味料のエース的存在です。この化合物も偶然発見されました。

ちなみに、現在知られる最強の甘味料は「ラグドゥネーム(lugduname)」で、甘味は砂糖の20~30万倍といわれます。

f:id:TanabataNikki:20140405224451p:plainラグドゥネーム

 

俗説としてでてくる「砂糖の中毒性」ですが、人間は長い間、飢餓と闘ってきたので、ハイカロリーな甘い砂糖に出会ってしまうと興奮してしまうんでしょうね。

 合衆国のロークラスの人は太っていて、ハイクラスの人は痩せて健康的だ。というステレオタイプは悲しい話です。